っぽい (A)LIKE
・・・っぽい!魅力的!
・・・っぽい!いらつく!
あれもこれもと欲張って、文化的な服と服の間の大きな裂け目に住んで、これでもなく、あれでもなく、一つの世界に発展するわけでもなく、別の世界に辿り着くわけでもなく、時に自分自身ですらも他人みたいな感じで、十分に準備された答えがあるわけでもなく、またそのために影響力の強い世界に身をさらしてみたり、様々なものを一緒くたにして、裁ち損なう。意識的、もしかしたら無意識的に。アンビヴァレンスと混ざり合いを楽しんで。それこそまさにトーキョー・ブレンド。
頭の中は、いろいろな世界を散歩して、すっごく重くなったと思ったら、突然すごく軽くなる。西洋風の肺呼吸と東洋風のえら呼吸とを交互にやって。創造的なミックス状態。あちこち飛んで、切り刻む!ひょっとしたら、片方の手が、もう一つの手がやってることを知らないのがいいのかも。テキトーなことからすっごく大変なことが生まれる!重たーい、はさみで切っちゃえ!最後に軽―くなって、結局回り道。新しい結びつき、あるいはおもしろい合成を創り出すってことも。なんか法被みたいなもの。ドレスの後ろについた小さな布地のかたまり-これって帯のこと・・・?ズボン??・・・それともスカート??・・・袴みたいな、そのどっちでもないもの。「・・・みたい」でもやっぱり、「ちょっと違う」、完全には似てないけど、まさに「・・・っぽい」、そう、「・・・っぽい」ってことを好きにならなきゃ。
東洋は西洋に映り、東洋では・・・西洋が東洋に映る。西洋では・・・別の形になったのに、再び知っているものみたいになる。
なんかそれっぽい。なんかー、「同じ枝にある桜の花と梅の花がそれぞれに混ざり合って匂っているみたいな」。そう、いつか日本の無名の詩人が書いたみたいに。
ちょっと歴史に目を向ければ、言葉的には着るものという意味の日本語の「着物」に限らず、ドイツ語の伝統的な洋服という意味の言葉「Tracht」だって「tragen(着る)」、詳しく言うと「getragen werden(着られる)」という言葉からきている。そして、「Gewand(衣服)」は「wenden(裏返す)」からだ。
どうしたら「袴」は古くからある「足の衣服(Beinkleid)」という言葉よりもっと上手に翻訳できるだろう。「スキニーパンツ(Röhrenhose)」はこっけいなものだとされていて、コメディア・デ・ラルテ(イタリアの喜劇)の道化師のものだった。
西洋では、服の仕立ての際には、人間の体そのものの形ばかりに目を向け、服の布地を細かく切って、可能な限り、身体を合わせて入れ込むべき穴の形を作った。日本も含む東洋では、幾何学で十分満足して、布地は細切れに切られずに細長い帯状のまま、着るものは身体に合わせて変わった。そのためあそびが生まれた。着る人を通じて完成するから、着物は本質的に半端なまま。この「自分っぽい」ためのあそびこそ、私たちが望む特徴・・・
karin ruprechter / translation hinako kasagi
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art direction / so+ba
photography / toshiki senoue
styling / junko kobashi & yuko wakana
hair make-up / chika
models / sage, james, mari, clara, jamie, seiryu, victor, ......
assistance / yuko wakana


